「相続した農地を売りたい」「もう耕作していない農地を宅地にしたい」 そんなとき必ず関わってくるのが「農地転用」です。農地は農地法によって自由な売買・転用が制限されており、正しい手順を踏まないと売買契約自体が無効になることもあります。今回は、農地所有者・売却検討者の方向けに、手続きの全体像を解説します。
農地法3条・4条・5条の違い
農地法には、目的に応じて3つの許可・届出区分があります。
3条は農地を農地のまま他人に売買・貸借する場合、4条は自分の農地を自分で農地以外に転用する場合、5条は他人の農地を取得し、農地以外に転用する場合です。
農地を「売却して宅地などに使ってもらう」場合は、原則として5条の許可(または届出)が必要になります。
手続きの流れ
都市計画法上の市街化区域内にある農地は、農業委員会への「届出」で足ります。届出書を提出し、農業委員会が受理通知を出せば手続き完了です。比較的スピーディーに進みます。
一方、市街化区域外(4ha以下)の農地は「許可」が必要です。流れは概ね、農業委員会への許可申請書提出、農業委員会から都道府県知事等への意見付き送付、都道府県農業会議への意見聴取、知事等からの許可通知、という順序で進みます。申請から許可まで、目安は4〜6週間程度です。土地の広さや案件の複雑さによって前後します。
令和6年改正で押さえておきたい点
令和6年の農地法改正により、次のような点が強化されています。転用許可の際、完了までの実施状況を農業委員会経由で報告する条件が付されるようになったこと、原状回復命令に従わない違反転用者は氏名や土地の地番などが公表される制度が導入されたこと、権利取得の許可判断において農作業従事者の配置状況や法令遵守状況も考慮されるようになったことです。
「とりあえず転用してしまう」対応はこれまで以上にリスクが高くなっています。
まとめ
農地の売却・転用は、農地区分の見極めから申請書類の作成、関係機関との調整まで専門性が求められる手続きです。手続きの遅れや不備は売買のスケジュールに直結するため、早い段階での準備が大切です。ご自身の農地がどの区分に該当するか分からない場合や、手続きを任せたい場合は、お気軽に行政書士へご相談ください。

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