前回までで、建設業許可の3つの大きな要件 経営業務の管理責任者、専任技術者、財産的基礎について書きました。
その続きで雑談をしているときに、「人とお金が揃えば、もう許可は取れるの?」と聞かれました。あと2つ、見落とされがちな要件があります。「誠実性」と「欠格事由に該当しないこと」です。今回はこの2つをまとめて整理してみます。
■「誠実性」とは何か
簡単に言えば、「建設業の営業にあたって、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと」が求められます。
具体的には、法人であれば役員等、個人であれば事業主本人やその支配人について、過去に請負契約に関して不正・不誠実な行為を行っていないことが審査されます。
「不正」とは、請負契約の締結や履行に際して詐欺・脅迫・横領などの違法行為に及ぶこと。「不誠実な行為」とは、契約違反や工事内容の不当な変更など、業務上の信義に反する行為を指します。
実務上、この要件で引っかかるケースは多くありません。ただし、過去に建築士法・宅地建物取引業法などで免許取消処分を受けて5年を経過していない場合などは、誠実性なしと判断されます。
■「欠格事由」とは何か
誠実性とセットで問われるのが、欠格事由に該当していないことです。法人の場合は役員等および令3条の使用人(支店長等)全員、個人の場合は事業主本人と支配人がチェックの対象になります。
主な欠格事由は次のとおりです。
- 成年被後見人・被保佐人、または破産者で復権を得ない者
- 不正の手段で許可を受けた等の理由で許可を取り消されてから5年を経過しない者
- 建設業法・刑法の特定の罪・暴力団関係法令違反などで罰金以上の刑を受け、5年を経過しない者
- 禁錮以上の刑を受け、その執行を終わってから5年を経過しない者
- 暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 暴力団員等がその事業活動を支配する者
ポイントは、役員等の全員が審査対象になるという点です。1人でも該当者がいれば、法人として許可は取れません。
■よくある落とし穴
- 過去の罰金歴:交通違反程度の反則金は対象外ですが、酒気帯び運転などで罰金刑を受けた場合は欠格事由に該当します。本人も忘れているケースが多く、ヒアリングで出てこないと後から発覚することがあります。
- 役員の追加:許可申請の途中で新たに役員を加える場合、その方も欠格事由のチェックが必要です。
- 暴力団排除条項:「現役の暴力団員でなければ大丈夫」と思いがちですが、過去に暴力団員だった方は離脱から5年経過していなければ該当します。
- 執行猶予期間中の扱い:禁錮以上の刑で執行猶予中の場合、猶予期間が満了するまで欠格事由に該当します。猶予が明ければ、その時点で要件はクリアされます。
■身分証明書と登記されていないことの証明書
これらの要件を確認するため、申請時には次の書類を役員全員分について提出します。
- 身分証明書:本籍地の市区町村で発行。「成年被後見人・被保佐人とみなされる者に該当しない」「破産手続開始の決定を受けていない」ことの証明です。
- 登記されていないことの証明書:法務局で発行。後見・保佐の登記がされていないことの証明です。
特に役員が複数いる場合、それぞれの本籍地が遠方にあると取得に時間がかかります。郵送請求も可能ですが、申請スケジュールには余裕を持たせておくのが安全です。
■役員全員の状況を早めに整理する
建設業許可を見据えている法人の方は、申請を本格化させる前に、役員全員のヒアリングをしておくことをおすすめします。「20年前のことだから関係ないと思っていた」というケースが、思いがけずネックになることがあります。
姫路で建設業許可をご検討の方には、役員の状況確認も含めた事前相談を無料で承っております。気になる点があれば、その時点でご相談ください。
これで建設業許可の要件編は一区切りです。次回は、要件を満たしたあとの「申請から許可までの流れ」について書く予定です。

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