これまで3回にわたって、遺言と遺言執行についてお話ししてきました。
「遺言を書いておこう」と思った方。
「執行者に指定されたけど、自分でやれるか不安」と感じた方。
「執行者から連絡が来たけど、どう対応すれば」と戸惑った方。
どの立場の方も、最後にぶつかる疑問があります。「専門家に頼むとして、誰に頼めばええの?」問題です。
行政書士、弁護士、司法書士、税理士 名前は聞いたことがあっても、何がどう違うのか、はっきり分かる方は意外と少ないんですよね。今回は、相続・遺言まわりで関わる主な士業の守備範囲を整理しておきます。
ざっくり守備範囲マップ
相続・遺言まわりで関わる代表的な3士業の役割は、こんなイメージです。
行政書士
遺言書の作成サポート、遺産分割協議書の作成、相続関係説明図、自動車・許認可の名義変更など、書類の作成と手続きの全般。遺言執行者の就任も可能です。
司法書士
不動産の相続登記(名義変更)が代表的な仕事。法務局への登記申請は司法書士の独占業務です。相続放棄の書類作成や、簡裁の代理権もあります。
弁護士
相続人の間で「もめている」「もめそう」というときの代理交渉、調停・訴訟。遺留分侵害額請求などの紛争解決は弁護士の独占領域です。
税理士
相続税の申告。基礎控除を超える財産がある場合、相続税の申告は税理士に依頼するのが安心です。
「もめてない相続」の8割は、行政書士で対応できます
意外に思われるかもしれませんが、相続案件の多くは「もめていない」ケースです。「家族で話はついているけど、書類の作り方が分からない」「平日に役所や銀行を回る時間がない」──こうしたお悩みが大半です。
このゾーンが、行政書士のいちばん得意な領域になります。
- 遺言書(自筆証書・公正証書)の作成サポート
- 戸籍謄本の収集(出生から死亡までの戸籍をたどる作業)
- 相続関係説明図、財産目録の作成
- 遺産分割協議書の作成
- 預貯金の解約手続き
- 自動車の名義変更、各種許認可の承継
ここまでは、行政書士の業務範囲です。料金も他士業に比べて抑えめのケースが多く、「まずは相談してみる」窓口として使いやすいのが特徴です。
でも、行政書士「だけ」では完結しないケースもある
ここが正直なところです。
不動産の名義変更が必要なら、司法書士の出番です。相続人の間で意見が割れて交渉が必要なら、弁護士です。相続税の申告が必要な規模なら、税理士です。
これらは法律で「○○士の独占業務」と決まっているので、行政書士が代わりにやることはできません。
だからこそ、「窓口としての行政書士」が便利
「不動産があるから司法書士に行こうかな」
「もめそうやから弁護士かな」
「相続税かかるかも、税理士やな」
こうやって、最初から自分で振り分けるのは大変です。そもそも「何が必要か」が分かっていないと、振り分けようがありません。
そこで、いったん行政書士に相談してみるという選択肢があります。
行政書士は相続案件全体を俯瞰して、「これは行政書士で対応します」「これは司法書士に依頼が必要です」「相続税の申告は税理士に」と振り分けの整理ができます。実務でも、信頼関係のある司法書士・税理士・弁護士と連携して、ワンストップで進めるケースが少なくありません。
つまり、行政書士は相続の入り口の整理係として使うのが効率的です。
まとめ 「迷ったら、まず相談」でいい
4回のシリーズを通じてお伝えしたかったのは、遺言と相続は「自分一人で抱え込まない方がいい」ということです。
遺言を書く前。執行者に指定されたとき。執行者から連絡が来たとき。どの場面でも、専門家に話を聞いてみることで道が見えてきます。
そして最初の窓口は、行政書士が向いています。話を聞いて、必要なら他の専門家にバトンを渡す。そういう使い方ができる職業です。
姫路で相続・遺言のことを考え始めた方は、お近くの行政書士事務所をのぞいてみてください。
これでシリーズ「遺言執行を知る」全4回が完結しました。お読みいただきありがとうございました。
姫路市飾磨区にて、ふじか行政書士事務所の開業準備を進めています。相続・遺言まわりのご相談に対応できるよう準備中です。開業後はお気軽にお問い合わせください。

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