【古物商許可シリーズ 第5回】許可取得後の義務 ― プレート・古物台帳・各種届出


晴れて許可が下りた。これで自由に中古品を売買できる——と思いきや、古物商は「取ってから」が本当のスタートです。シリーズ最終回は、営業を続けるうえで守るべき義務を整理します。

■ 古物商プレート(標識)の掲示

営業所の見やすい場所に、古物商プレート(標識)を掲示する義務があります(古物営業法第12条)。プレートには許可番号、公安委員会名、屋号、主たる取扱区分を記載します。サイズは縦8cm×横16cmが標準で、市販品を1,500〜3,000円程度で購入できます。

■ 取引時の本人確認

一定額以上の買い取りなどでは、相手方の本人確認が義務付けられています(同法第15条)。盗品が紛れ込んだ際に、誰から仕入れたかをたどれるようにするためです。

■ 古物台帳への記帳と保存

取引の内容は古物台帳に記録し、最終記載日から3年間保存しなければなりません(同法第16条・第18条)。記録するのは、取引年月日、品目、特徴、相手方の住所・氏名・職業・年齢などです。これを怠ると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象になり得ます。

■ 変更があったら「変更届」

許可証の記載事項に変更が生じたときは、変更届の提出が必要です。たとえば次のような場合です。

・氏名・住所・屋号が変わった
・営業所を移転した、または増やした
・取扱区分を追加・変更した
・管理者を変更した
・(法人の場合)役員や所在地が変わった

届出を怠ると、罰則や許可取り消しの対象になることもあります。

■ 管理者の選任

営業所ごとに、業務を適正に行う責任者として管理者を1人選任する義務があります。自動車やバイクなど盗難リスクの高い品目では、不正品を見分ける知識・経験が求められます。

■ 6か月以内に営業を開始する

許可を受けてから6か月以内に営業を開始しない、または6か月以上営業を休止すると、許可が取り消される場合があります。「許可だけ取って寝かせる」ことはできない点に注意しましょう。

■ まとめ

全5回にわたり、古物商許可の基本から取得後の義務までを整理してきました。許可は中古品ビジネスのスタートラインであり、取得後も継続的な義務が伴います。とりわけ台帳の記帳や変更届は、日々の積み重ねと正確さがものを言う部分です。

申請書類の準備から取得後の体制づくりまで、つまずきやすい場面は少なくありません。当事務所では、ルールを守り抜く下支えとして、開業の前後をトータルでお手伝いしています。これから古物商許可を検討される方は、早めにご相談いただくことで、開業準備に専念していただけます。


“【古物商許可シリーズ 第5回】許可取得後の義務 ― プレート・古物台帳・各種届出” への1件のフィードバック

  1. toku-sanのアバター
    toku-san

    古物商は、私も産廃処理業者としてよく理解していないところでした。
    会社は、古紙卸売業を主たる業務としてスタートし、それから派生して
    産廃処理業を事業の別の柱として開始した経緯でしたので、
    「一度使用されたもの」や「営利目的」という定義が、事業活動で不要となった
    段ボール等の古紙や、プラスチック成型工場の製造過程から排出される成型ロス品等
    についても自社で破砕、圧縮などの減容処理のを経て、再生紙原料、再生樹脂原料として
    売却する場合が含まれるのかどうか曖昧でした。

    これらの場合、段ボール、書籍、新聞などの古紙については、不要物として廃棄されるもの
    であっても一応は「一度使用されたもの」に該当しますが商品としての使用ではありません。

    一方、分類においては、「書籍」の解釈が分離解釈ではないことは想像がつきますが、
    どこまで拡大、類推解釈できるのかが難しく(例:段ボール)、また、再生樹脂原料として
    売却するプラスチックなどはどの分類にも該当しないため、その時点で古物商対象外なのか等
    モヤモヤする感じです。

    産廃、リサイクル関連業は、通常不要物となったものを再資源化するために営利目的で売却する
    という特殊な業態につき、定義に該当するかの判断に迷う場面が多いですが、今回、概要を詳細に
    投稿していただきましたので参考にさせていただきたいと思います。

    有難うございました。

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