それは「お願い」ではなく認定の要件です 太陽光の説明会・事前周知措置を審査側の視点で読む


太陽光発電設備の認定申請で、周辺地域への説明会や事前周知措置が求められるようになりました。これを「地域への配慮のお願い」だと受け取っている方が少なくありません。

違います。認定の要件です。

今回から4回にわたって、この説明会および事前周知措置を扱います。第1回は、審査する側がこの要件をどう位置づけているのかを整理します。

目次
  1. 根拠は施行規則にあります
  2. 第一の判定 ― そもそも対象か
  3. 第二の判定 ― 説明会か、事前周知措置か
  4. 範囲と時期は、数字で決まっています
  5. 報告書は公表されます
  6. 審査側の視点で言えば
  7. 次回予告
  8. 参考にした公的資料

根拠は施行規則にあります

説明会等の実施は、再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則第4条の2の3にもとづくものです。資源エネルギー庁が定める「説明会及び事前周知措置実施ガイドライン」は、その具体的な内容を示しています。

同ガイドラインは、要件を満たさない場合について、事業計画の認定要件として求められる説明会等を実施したものと認められない、としています。そのうえで、こう述べています。

認定を行わず、又は認定を取り消すなどの厳格な対応を行う。

審査する側に、目こぼしをする裁量はありません。要件を満たしているか、満たしていないか。判断はそこで完結します。

第一の判定 ― そもそも対象か

次の事業は、説明会等の対象から除かれています。

  • 出力10kW未満の太陽光発電事業(住宅用太陽光発電事業)
  • 屋根設置太陽光発電事業
  • 海洋再エネ整備法の適用事業

屋根設置は、出力にかかわらず対象外です。まず、自分の設備がどちらに当たるかを確定させてください。

屋根設置であることは、資料で疎明します

ここが肝心なところです。屋根設置かどうかは、自己申告で決まるものではありません。新規の認定申請では、設置場所に関する資料として次のものが求められます。

  • 建築基準法にもとづく検査済証、またはこれに代わる処分の概要書等の写し
  • 建物の登記簿謄本
  • パネル設置図面
  • パネルの全量が屋根に設置されていることを示す写真

最後の項目をよくご覧ください。求められているのは、パネルの全量が屋根に設置されていることを示す写真です。一部でも地上に設置されていれば、その設備は屋根設置として扱われません。

審査する側から見れば、屋根設置かどうかは事業者の説明ではなく、資料で裏づけられる事項です。「屋根に載せているのだから対象外のはずだ」という認識だけで判定を済ませるのは危険だ、ということになります。

第二の判定 ― 説明会か、事前周知措置か

対象となる事業について、ガイドラインは説明会の開催が必要な場合を定めています。次のいずれかに当たる場合です。

  • 認定申請要件となる許認可の対象エリア、土砂災害警戒区域、条例の保護エリアのいずれかに設置する場合
  • 上記以外で、高圧または特別高圧の電源である場合
  • 上記以外で、低圧の電源であり、100m以内に同一事業者の事業があって、出力の合計が50kW以上となる場合

これらのいずれにも当たらない場合は、説明会を開催するか、事前周知措置を実施することになります。このほか、計画変更に伴う場合についても別に定めがあります。

低圧だから軽い、とは限りません。100m以内に同一事業者の設備があり、合計して50kW以上になれば、説明会の開催が求められます。

範囲と時期は、数字で決まっています

周知の対象となる範囲は、電源の区分ごとに定められています。

  • 低圧電源 ― 敷地境界線からの水平距離100m
  • 高圧・特別高圧電源 ― 300m
  • 環境影響評価法の第一種事業 ― 1km

実施の時期は、認定申請日の3か月前までが基本です。認定申請要件となる許認可が必要な事業や環境影響評価の対象事業では、複数の時期に実施することが求められます。

いずれも、事業者の裁量で動かせる数字ではありません。

報告書は公表されます

認定申請にあたっては、実施した説明会等の概要を、ガイドライン付録4の様式により報告します。そして施行規則第7条第1項第7号にもとづき、提出された情報は資源エネルギー庁のシステムを通じて公表されます。

この意味は小さくありません。報告書は審査する側だけが読むものではないということです。周辺にお住まいの方も、取引の相手方も、同業者も読めます。実施していないことも、実施の内容が薄いことも、そこに残ります。

審査側の視点で言えば

この要件の判定に、事業者側の事情は入りません。

近隣と良好な関係を保っている。設備は小規模で誰にも迷惑をかけていない。前の所有者から引き継いだだけで自分は何もしていない。いずれも、判定の結果を変えません。

区分に当てはめ、距離を測り、時期を確認する。要件を満たしていれば進み、満たしていなければ進まない。それだけの話です。そして満たしていないことが後から判明すれば、認定を行わない、あるいは取り消すという対応が控えています。

厳しく聞こえるかもしれませんが、逆に言えば、要件は明文で示されています。判定を先にやっておけば、後から覆ることはありません。

次回予告

第2回は、この判定を一枚の分岐図に落とします。ご自身の設備がどの区分に当たり、何をいつまでに行う必要があるのか。順を追って確認できる形にしてお示しします。


ふじか行政書士事務所では、FIT・FIP制度の認定申請および変更認定申請、これに伴う説明会・事前周知措置の実施支援を承っています。兵庫県内、播磨地域を中心に対応しております。

参考にした公的資料

リンク先は2026年11月7日に確認しました。

※本記事は2026年9月時点の「説明会及び事前周知措置実施ガイドライン」(2024年2月策定、2025年4月改訂、2026年4月改訂)にもとづく解説です。同ガイドラインは改訂が続いていますので、実際の手続にあたっては資源エネルギー庁の公表する最新版をご確認ください。

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