あなたの太陽光は説明会か、事前周知措置か 4つの分岐で判定する


前回、説明会および事前周知措置は認定の要件であり、満たさなければ認定を行わない、あるいは取り消すという対応が定められていることを確認しました。

では、ご自身の設備は何をしなければならないのか。判定は4つの分岐で決まります。一枚の図にしました。

認定申請をする太陽光発電設備 分岐1 屋根設置か、出力10kW未満の太陽光発電事業か (海洋再エネ整備法の適用事業もここに含む) 分岐2 周辺地域等に影響を及ぼす可能性が高いエリア内か 認定申請要件許可の対象エリア/土砂災害警戒区域・ 土石流危険渓流/条例の保護エリア 分岐3 高圧または特別高圧の電源か 分岐4 低圧で、敷地境界線から100m以内に、同一の事業者 または密接関係者が実施する事業の場所があり、 それらの出力の合計が50kW以上となるか (距離は水平距離) 説明会の開催、または事前周知措置 どちらかを実施する 説明会等は不要 対象事業から除かれる 説明会の開催が必要 事前周知措置では足りない いいえ いいえ いいえ いいえ はい はい はい はい 出典:資源エネルギー庁「説明会及び事前周知措置実施ガイドライン」および代行申請ホームページをもとに作成
目次
  1. 分岐1 ― そもそも対象か
  2. 分岐2 ― エリアは条文で特定されています
  3. 分岐3 ― 電圧区分
  4. 分岐4 ― 100mと50kW
  5. 変更認定申請の前にも必要になります ― 8つの変更
  6. 判定が終わったら ― 範囲と時期
  7. 判定を先にやる理由
  8. 次回予告
  9. 参考にした公的資料

分岐1 ― そもそも対象か

屋根設置太陽光発電事業、出力10kW未満の太陽光発電事業、海洋再エネ整備法の適用事業。この3つは対象から除かれます。

屋根設置は出力を問いません。前回お伝えしたとおり、屋根設置であることは資料で裏づけられる事項ですので、野立てと併設している設備では、パネルの全量が屋根にあるかどうかを先に確かめてください。

分岐2 ― エリアは条文で特定されています

「周辺地域等に影響を及ぼす可能性が高いエリア」は、次のとおり定められています。

(1)認定申請要件許可の対象エリア

  • 森林法第10条の2第1項の開発行為の許可が必要なエリア
  • 宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項および第30条第1項の許可が必要なエリア(改正前の宅地造成等規制法第8条第1項本文の許可が必要なエリアを含む)
  • 砂防法第4条第1項(同法第3条において適用する場合を含む)の規定に基づく制限として行う処分が必要なエリア
  • 地すべり等防止法第18条第1項および第42条第1項の許可が必要なエリア
  • 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第7条第1項の許可が必要なエリア

(2)土砂災害警戒区域(土砂災害特別警戒区域を含む)または土石流危険渓流

(3)条例において、自然環境・景観の保護を目的として保護エリアを定めている場合

ここに当たれば、電圧の区分にかかわらず説明会の開催が必要です。低圧だから軽い、という判定にはなりません。立地が先に効きます。

分岐3 ― 電圧区分

分岐2に当たらない場合、次に見るのは電圧です。高圧または特別高圧の電源であれば、説明会の開催が必要です。

分岐4 ― 100mと50kW

低圧であっても、説明会が必要になる場合があります。敷地境界線からの水平距離100m以内に、同一の事業者またはその密接関係者が実施する再エネ発電事業の実施場所があり、それらの電源の出力の合計値が50kW以上となる場合です。

見落とされやすい分岐です。1基あたりは低圧に収まっていても、近接して複数あれば合算されます。しかも合算の相手は自分の設備だけではありません。密接関係者が実施する事業も含まれます。自分の名義の設備を数えるだけでは判定できない、ということです。

この4つのいずれにも当たらない場合に、はじめて説明会または事前周知措置のどちらかを選べることになります。

変更認定申請の前にも必要になります ― 8つの変更

ここまでは新規の認定申請を念頭に置いてきましたが、この要件は既存設備にも及びます。次の変更を行う場合、変更認定申請の前に説明会または事前周知措置の実施が必要です。

  1. 認定事業者の変更(事業譲渡、合併、会社分割等を原因とするもの)
  2. 認定事業者の密接関係者の変更
  3. 発電設備の設置場所の変更
  4. 発電設備の出力を20%以上または50kW以上増加する変更
  5. 発電設備の出力を、新規認定申請の日または直近で行った説明会等の日のうちいずれか遅い日から起算して、累計で20%以上または50kW以上増加する変更
  6. 太陽電池の合計出力を20%以上または50kW以上増加する変更
  7. 太陽電池の合計出力を、新規認定の日または直近で行った説明会等の日のうちいずれか遅い日から起算して、累計で20%以上または50kW以上増加する変更
  8. 説明会の開催を求める事業の範囲に新たに該当することとなる計画変更

1番目にご注目ください。事業譲渡による名義変更が、ここに入っています。設備を売買して認定事業者を変えるだけの手続だと考えていると、この要件に気づきません。

5番目と7番目も重要です。1回あたりの増設が小さくても、前回の説明会等の日から累計して20%以上または50kW以上になれば対象になります。増設を繰り返してきた設備では、いつを起算点とするかを確かめる必要があります。

判定が終わったら ― 範囲と時期

何をするかが決まったら、次は誰に対して、いつまでに行うかです。

周知の対象となる範囲は、低圧電源が敷地境界線からの水平距離100m、高圧・特別高圧電源が300m、環境影響評価法の第一種事業が1kmです。実施の時期は、認定申請日の3か月前までが基本です。

判定を先にやる理由

この判定に主観が入る余地はありません。屋根か地上か、どのエリアか、高圧か低圧か、100m以内に何があるか、どのような変更に当たるか。すべて事実の確認で決まります。

そして判定を誤ったまま進めた場合、それが表面化するのは申請後です。事前周知措置で足りると考えて進めたが、実は説明会が必要だった。このとき、申請日の3か月前という時期の要件は、すでに満たしようがありません。

逆に言えば、最初に判定さえ済ませておけば、あとは順番に進めるだけです。時間をかけるべきは、作業ではなく判定のほうです。

次回予告

第3回は、周知の範囲と時期をより具体的に扱います。100mをどこから測るのか、3か月前の起算点をいつに置くのか。判定の次に迷いが生じる部分です。


ふじか行政書士事務所では、FIT・FIP制度の認定申請および変更認定申請、これに伴う説明会・事前周知措置の実施支援を承っています。兵庫県内、播磨地域を中心に対応しております。判定だけのご相談も承ります。

参考にした公的資料

リンク先は2026年11月7日に確認しました。

※本記事および図は、2026年9月時点の「説明会及び事前周知措置実施ガイドライン」(2024年2月策定、2025年4月改訂、2026年4月改訂)および代行申請ホームページの公表内容にもとづき作成しています。実際の判定にあたっては、資源エネルギー庁が公表する最新版をご確認ください。

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