この連載も最終回です。第1回で認定の要件であることを確認し、第2回で判定の分岐を、第3回で対象者と時期を扱いました。最後は、実施した後の話です。
説明会や事前周知措置は、実施して終わりではありません。その内容は報告書にまとめられ、そして公表されます。
目次
報告書は、認定申請とセットです
説明会を開催した場合は説明会概要報告書、事前周知措置を実施した場合は事前周知措置概要報告書。いずれもガイドライン付録4の様式により、認定申請に当たって提出することとされています。
どちらを提出するかは、第2回で扱った判定の結果で決まります。高圧・特別高圧の電源であれば説明会ですので説明会概要報告書、低圧で事前周知措置によった場合は事前周知措置概要報告書です。低圧であっても、立地の要件や100m・50kWの分岐に当たって説明会を開催したのであれば、説明会概要報告書になります。
そして、そもそも対象から除かれる設備には、報告書自体が発生しません。屋根設置太陽光発電事業、出力10kW未満の太陽光発電事業、海洋再エネ整備法の適用事業がこれに当たります。低圧であれば必ず対象になる、というものではありません。
以下の内容は、説明会概要報告書と事前周知措置概要報告書のいずれにも当てはまります。
説明会概要報告書について、ガイドラインは「事業者による説明会での説明や質疑時間でのやりとりの概要を報告する」ものと位置づけています。開催したという事実だけでなく、そこで何が話されたかを報告する書類だということです。
質問がゼロでも、報告します
周知を行っても、質問や意見が一件も寄せられないことがあります。この場合について、ガイドラインは明確です。
質問等の提出がなかった場合は、その旨を報告すること。
何もなかったから書くことがない、ではありません。何もなかったという事実を報告します。空欄のまま出すことと、質問がなかったと記載することは、書類として別のものです。
提出した情報は、公表されます
ここが、この手続のもうひとつの側面です。
付録4の様式により提出された情報は、施行規則第7条第1項第7号にもとづき、資源エネルギー庁のシステムを通じて公表されます。
つまり、報告書を読むのは審査する側だけではありません。周辺にお住まいの方も読めます。設備の取引を検討している相手方も読めます。同業者も読めます。そして将来、その設備を買おうとする人も読めます。
説明会でどのような質問が出て、事業者がどう答えたのか。それが記録として残り、誰でも参照できる場所に置かれる。この前提で書かれているかどうかは、読む人には伝わります。
虚偽があったときの定め
報告書の内容について、ガイドラインは次のように述べています。
事業者が提出した資料に虚偽が発覚した場合は、再エネ特措法上の要件を満たさないものとして、認定を行わず、又は認定を取り消すなどの厳格な対応を行う。
第1回で引用した、要件を満たさない場合の記述とまったく同じ表現です。実施しなかった場合と、実施したように書いた場合とで、扱いは変わりません。
実施の内容が薄かったことを取り繕うために、報告書の記載を膨らませる。配布していない先に配布したと書く。寄せられた質問を記載しない。いずれも、認定そのものを失う行為にあたります。
報告書は、実施した内容を正確に写すための書類です。書類の出来で実施の不足を埋めることはできません。埋めようとすれば、リスクだけが残ります。
だからこそ、実施の段階が勝負になります
報告書に書けることは、実施した時点で決まっています。後から書き足せる性質のものではありません。
いつ、どの範囲に、どの方法で周知したのか。誰から、どのような質問があり、どう回答したのか。これらは実施の過程でしか記録できません。実施が終わってから記録を作ろうとすれば、そこに無理が生じます。
この連載で繰り返しお伝えしてきたのは、判定を先にやること、そして時期から逆算することでした。報告書の段階で困らないためにも、最初の判定と、実施の記録の取り方を、始める前に決めておくことをお勧めします。
迷ったら、判定だけでもご相談ください
4回にわたってお読みいただき、ありがとうございました。
この手続は、判定を誤れば時期の要件を満たせなくなり、実施が不十分なまま報告すれば認定そのものを失います。いずれも、後から取り返すことができません。
逆に言えば、最初に正しく判定し、定められたとおりに実施し、そのとおりに報告すれば、それ以上のことは求められていません。制度は明文で示されています。
ふじか行政書士事務所では、FIT・FIP制度の認定申請および変更認定申請、これに伴う説明会・事前周知措置の実施支援を承っています。対象範囲の確定、配布書面の作成、報告書の作成までお引き受けします。設備の売買や増設をご検討の段階からご相談ください。兵庫県内、播磨地域を中心に対応しております。
参考にした公的資料
リンク先は2026年11月7日に確認しました。
※本記事は2026年9月時点の「説明会及び事前周知措置実施ガイドライン」(2024年2月策定、2025年4月改訂、2026年4月改訂)にもとづく解説です。様式および記載事項は改訂されることがありますので、実際の手続にあたっては資源エネルギー庁が公表する最新版および付録の様式をご確認ください。
太陽光の説明会・事前周知措置シリーズ(全4回)
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