姫路・飾磨で行政書士をしております、ふじか行政書士事務所の古角です。
全5回でお届けしてきた在留資格シリーズも、いよいよ最終回。締めくくりは、多くの方が「いつかは」と目指すゴール、「永住許可申請」です。
永住者になると何が変わる?
永住許可が下りて「永住者」になると、在留期間の制限がなくなり、活動の制限もなくなります。つまり、これまで数年おきに繰り返してきた更新申請から解放され、仕事の種類も自由に選べるようになる――。日本で暮らす外国人にとって、最も安定した立場です。
そのぶん、審査は在留資格の中でもいちばん厳しい部類に入ります。
三つの大きな要件
永住の審査は、大きく次の三つの柱で見られます。
ひとつめが素行善良要件。法律を守り、まじめに暮らしてきたか。ふたつめが独立生計要件。安定した収入や資産があり、自分(と家族)の生活を営めるか。みっつめが国益適合要件。その人が永住することが日本の利益にかなうか、という観点です。
国益適合の中でも特に大事なのが、在留年数です。原則として引き続き10年以上日本に住み、そのうち5年以上は就労資格などで在留していることが求められます(配偶者などには別の基準があります)。そして見落とせないのが、税金・年金・健康保険といった公的な義務を、きちんと果たしてきたかどうかです。
2026年2月の改訂で、要件が動きました
ここが今回いちばんお伝えしたいところ。2026年2月24日にガイドラインが改訂され、要件が一段厳しくなりました。
ポイントは「最長の在留期間を持っていること」という条件です。これまでは在留期間「3年」でも認められてきましたが、今後は原則「5年」が必要になります。ただし、2027年3月31日までは「3年」でも最長とみなす経過措置が設けられています。
つまり、3年の在留期間で永住を考えている方にとっては、この経過措置のあいだに動くかどうかが、ひとつの分かれ目になります。
「申請してから」も長い道のり
永住申請には、いくつか実務上の注意点があります。
まず、申請は窓口のみで、オンライン申請はできません。手数料は、許可されたときに納めます。2026年10月1日の改定で200,000円になりました。2026年9月30日までに受け付けた申請は改定前の10,000円、一定の要件を満たす場合は20,000円に減額されます。そして審査がとにかく長い。直近では、許可までおよそ10か月かかったというデータもあります。腰を据えて取り組む手続きだと思っておきましょう。
取れば「上がり」ではない時代に
最後にもうひとつ、大切な話を。近年の入管法改正により、永住は「一度取れば一生安泰」とは言い切れなくなりました。
永住を取得した後でも、故意に税金や社会保険料を納めないといった場合には、永住資格が取り消され得るようになっています。せっかく得た立場を守るためにも、取得後も義務をきちんと果たし続けることが、これまで以上に大切になっています。
シリーズのまとめ
全5回にわたって、①全体像、②認定証明書(COE)、③変更、④更新、そして⑤永住と、在留資格まわりの手続きをひととおり見てきました。
共通して言えるのは、「早めに動く」「普段からきちんとしておく」――この二つが、どの手続きでも効いてくる、ということ。在留の手続きは、書類だけでなく、これまでの生き方そのものが問われる世界なんですね。
「うちのケース、どう進めたらええんやろ」と迷ったときは、無理にひとりで抱え込まんと、うちで一緒にゴールまでの道のり描いていきましょか。長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。
参考にした公的資料
リンク先は2026年11月7日に確認しました。
在留資格シリーズ(全5回)
- 在留資格って結局なに? ビザとの違いから全体像までやさしく解説
- 【在留資格シリーズ②】海外から人を呼ぶ第一歩 ―「在留資格認定証明書(COE)」をやさしく解説
- 【在留資格シリーズ③】日本にいながら資格を切り替える「在留資格変更許可申請」とは
- 【在留資格シリーズ④】期限が来る前に!「在留期間更新許可申請」の基本
- 【在留資格シリーズ⑤・最終回】多くの人のゴール「永住許可申請」― 取ってからも続く話この記事
