相続で登場する4つの資格 姫路・飾磨で、誰に何を頼むか


この連載も最終回です。第1回で2027年3月31日という期限を確認し、不動産の洗い出し、間に合わないときの受け皿、戸籍と遺産分割協議書と進んできました。最後は、実際に誰へ相談すればよいのかという話です。

相続には、弁護士、司法書士、税理士、行政書士という4つの資格が登場します。それぞれ法律で業務の範囲が定められており、正直なところ、依頼する側から見て分かりにくい仕組みです。ここを整理しておきます。

4つの資格は、何が違うのか

弁護士 ― 争いがあるとき

相続人の間で意見が対立している、話し合いに応じてもらえない、遺留分をめぐって争いがある。こうした場合は弁護士です。法律事務全般を扱えるのは弁護士だけで、家庭裁判所の遺産分割調停や審判の代理も弁護士の業務です。

争いがある事案を他の資格者が扱うことは法律で禁じられています。もめている自覚がある場合は、遠回りをせず最初から弁護士にご相談ください。

司法書士 ― 登記まわり

不動産の名義を変える相続登記の代理、法務局に提出する書類の作成、そしてこれらについての相談は、司法書士の業務です(司法書士法第3条第1項)。第3回で扱った相続人申告登記の申出も、ここに含まれます。

なお、法務大臣の認定を受けた司法書士は簡易裁判所での代理もできますが、これは訴額140万円以下の民事事件に限られます。家庭裁判所の遺産分割調停の代理はできません。

税理士 ― 相続税

相続税の申告が必要かどうかの判断と、実際の申告は税理士の業務です。目安となる基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数。遺産の総額がこれを超えそうなら、税理士への相談を急いでください。申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月です。

この10か月は、戸籍集めと遺産分割の時間を差し引くと、決して長くありません。

行政書士 ― 書類を整える工程

当事務所が担うのは、争いのない相続における次の工程です。

  • 相続人の調査(戸籍の収集)と相続関係説明図の作成
  • 相続財産の調査
  • 遺産分割協議書の作成
  • 法定相続情報一覧図の保管および交付の申出(行政書士は代理人として認められています)
  • 預貯金の解約や、自動車の名義変更といった各種手続
  • 遺言書の作成支援

第4回でお話ししたとおり、相続手続きの時間の大半はこの工程に費やされます。登記はその先にある最後の一手です。

頼む順番には、考え方があります

迷われたら、次の順に自問してみてください。

  1. 争いがあるか。あるなら弁護士へ。ここは他の選択肢がありません
  2. 相続税がかかりそうか。基礎控除の式に当てはめて超えそうなら、税理士へ。期限が10か月と短いためです
  3. どちらでもないか。その場合は、行政書士で土台を整え、登記の段階で司法書士へ、という流れが自然です

実際には、1と2に当てはまらないご家庭が多数です。相続人が数人、不動産は自宅と少しの土地、争いもない。この場合、必要なのは「誰かが手を動かして書類を揃えること」であり、そこが行政書士の役割です。

窓口はひとつでかまいません

4つの資格それぞれに、ご自身で連絡を取る必要はありません。どこか一か所にご相談いただければ、必要な場面で適切な専門家につながります。当事務所でも、登記が必要な段階では連携する司法書士に、相続税が見込まれる場合は税理士におつなぎしています。

大切なのは、最初の一歩を早く踏み出すことです。どの資格者に当たったとしても、そこが違えば別の専門家を紹介してもらえます。「誰に頼むのが正解か分からないから動けない」という状態が、いちばんもったいないのです。

2026年9月現在、期限まで残された時間は半年あまり。戸籍集めに数か月かかることを思えば、いま動き出しても早すぎることはありません。


姫路市飾磨区のふじか行政書士事務所では、相続人の調査(戸籍の収集)、相続財産の調査、相続関係説明図および遺産分割協議書の作成、法定相続情報一覧図の申出などを承っています。「何から手をつければよいか分からない」という段階からで構いません。姫路市・たつの市・太子町など播磨地域を中心に対応しております。

※本記事は2026年8月時点の法令にもとづく一般的な解説であり、個別の事案に対する助言ではありません。登記手続の代理・法務局に提出する書類の作成およびこれらについてのご相談は司法書士、家庭裁判所に提出する書類の作成は司法書士または弁護士、相続税に関することは税理士、相続人間に争いのある事案は弁護士の業務となります。


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