入居者が退去したら、太陽光の売電が止まった? 大家さん・管理会社様に知ってほしい電力会社の決まり


先日、当事務所に、これまでにない初めての内容のご相談をいただきました。

太陽光発電が付いたアパートをお持ちの方からで、「建物の電気の契約がなくなったら、太陽光の売電の契約まで自動で解約されていた」という内容でした。

調べてみると、これは特別な出来事ではなく、電力会社の決まりが変わったことで、ほかのアパートでも、たとえば入居者さんの退去をきっかけに起こりうることだと分かりました。大家さんや管理会社の方に、ぜひ知っておいていただきたい話です。

目次
  1. 何が起きるのか
  2. アパートで起きやすい理由
  3. 止まってしまうと、どうなるか
  4. 止めないための対策:退去のとき、電気を切らさない
  5. もし止まってしまったら
  6. 太陽光付きの物件を扱う方へ
  7. 参考にした公的資料

何が起きるのか

2024年4月1日に、電力会社(送配電の会社)の決まり(託送供給等約款)が変わりました。東京電力や関西電力の地域で、このことを確認しています。

その結果、太陽光がある場所と同じ場所の「電気を使う契約」が解約されると、その場所の「太陽光の売電の契約」も、同じ日に自動で終わることになりました。

たとえば東京電力エナジーパートナーは、2024年5月13日のお知らせで、電気の契約の解約にともなって、同じ場所の太陽光の買取りの契約も解約することを案内しています。関西電力送配電の決まりにも、同じ内容の定めがあります。

アパートで起きやすい理由

アパートの部屋ごとに太陽光が付いていて、その部屋の電気の契約を入居者さんが結んでいる場合があります。

入居者さんが退去するとき、電気の契約を解約するのは自然なことです。ところが、その解約で、同じ場所の太陽光の売電の契約まで一緒に終わってしまいます。大家さんが知らないうちに、売電が止まっているということが起こりえます。

止まってしまうと、どうなるか

売電を再開するには、電力会社に売電の契約の申込みを、あらためてする必要があります。

  • 東京電力パワーグリッドの案内では、再開できるのは、申込みが届いた日以降です。さかのぼって再開することはできません。
  • そのため、止まっていた間の売電収入は、取り戻せません。

申込みの方法は電力会社によって違います。たとえば関西電力送配電では、2026年6月から、インターネットの申込みサービスで再開の手続きができるようになっています。

また、申込みの内容は、国に届け出ている太陽光の認定の内容(持ち主の名義など)と合っている必要があります。名義が変わっているのに国の手続きをしていない場合は、先にそちらを済ませなければならず、再開がさらに遅れることがあります。

止めないための対策:退去のとき、電気を切らさない

いちばんの対策は、入居者さんが退去するときに、電気の契約を解約せず、大家さん(または管理会社)の名義に切り替えておくことです。空室の間も電気の契約が続いていれば、この決まりで売電の契約が自動で終わることはありません。

管理会社の方は、退去の立ち会いや手続きの流れの中に、次の確認を入れておくと安心です。

  • この部屋(または建物)に、太陽光が付いているか
  • 電気の契約は、だれの名義か
  • 退去のあと、電気の契約をだれの名義に切り替えるか

もし止まってしまったら

まずは、売電の契約をしている電力会社に、再開の手続きを確かめてください。電力会社から届いた書類(解約のお知らせなど)があれば、手元に置いておきましょう。

名義の手続きがからんでいて、どこから手をつければいいか分からない場合は、ご相談ください。状況を一緒に整理します。

太陽光付きの物件を扱う方へ

太陽光は、名義変更のほかにも、電力会社との契約や国への届出など、知らないと困ることがいくつもあります。売買のときに確かめたいことは、「太陽光付きの物件を扱うとき、最初に確かめたい5つのこと」でまとめています。


ふじか行政書士事務所(兵庫県姫路市)では、太陽光発電設備の名義変更について、全国からご相談をお受けしています。太陽光付きの物件の売買や相続でお困りの大家さん・管理会社様・不動産会社様は、お気軽にご相談ください。

参考にした公的資料

リンク先は2026年11月4日に確認しました。

※本記事は、東京電力エナジーパートナー(2024年5月13日のお知らせ)、関西電力送配電などの2026年10月時点の公表資料にもとづく一般的な説明です。契約の内容や再開の手続きは、電力会社や契約の形によって異なります。くわしくは、売電の契約をしている電力会社にご確認ください。

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